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[長年の夢がかなえられた]とはまさしくこのようなことを言うのかもしれない。[川井憲次ファン]にとっては感涙物の出来事であった『川井憲次コンサート2007 Cinema Symphony』の模様を舞台裏から、開演前の様子から終わりまでを3回に渡ってお伝えしていきたい!
(実は、一観客として既にチケットを購入していたので、本番では2列目という好ポジションでコンサートの一部始終を観る事もできたのだった。)
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9月某日、それは一本の電話から始まった。
まず最初に筆者が今回のコンサートにご縁ができるまでのお話を少しさせていただきたい。8月12日に東京ビッグサイトにて開催された【ワンダーフェスティバル[夏]】を見に行く。[KERBEROS-SAGA.JP]のブースに立ち寄り、知人であったプロデューサーの小泉聰に挨拶する。その際に『三頭犬新聞』をいただく。後日新聞を読むと[11月4日・川井憲次シネマコンサート開催!]の文字が! 「おおぉ!」思わず私は叫んだ。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』『Avalon』などの作品や音楽が好きで、民謡コーラスの生の唄声やオーケストラによる演奏を一度聞いてみたいとかねがね思っていたのだ! しかし、一方で「企画として難しいのだろうなぁ」とも思っていた。それが現実のものとなるというではないか! これは絶対聴きにいかねば!
その約1ヶ月後。小泉聰から電話が入る。聞けば仕事を手伝って欲しいとのことだ。数日後、プロデューサーの廣瀬和好同席の下、都内某所にて話しを聞く。仕事とは[KERBEROS-SAGA.JP]のプロジェクトのことであった。いろいろ会話をしているうちに
「今日はこの後川井憲次さんのレコーディングがあって……」
「ああ、今度コンサートをやられるんですよね。チケット買いましたよ」
「!?……」
顔を見合わせる二人。コンサートはそもそも[KERBEROS-SAGA.JP]が企画したからだ。その後今後の仕事のつながりもあり、なんといきなり川井さんのレコーディングを見学させていただけることに! ニコニコとお仕事をされている川井さん。邪魔にならないようにひたすら恐縮している私。後日、正式な契約を結ぶ事になった。つまりスタッフの側になったのだ。ただ一点、私はこの時プロとしてあるまじきお願いをした。
「コンサートが始まったらお客として観たいんですが」
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11月4日(コンサートの当日)。
幸いになことに天気も良い。「ついにこの日が来たか!」という感慨とともに「どんなに凄いことが起きるのだろう?」とも。何しろ今回のコンサートが[川井憲次の映画音楽]を再現するため、フルオーケストラや豪華ゲストを含む総勢112名の演奏者、膨大な数の楽器構成など、通常ありえない規模と種類のものであることはこれまで伝られてきたとおり。
リハーサルも出演者全員を集めることが難しいため、前日までは各パートごとに分けて行われ、全員が集合して行なわれたリハーサルは本番直前のみ!
さらには会場である[パシフィコ横浜 国立大ホール]の舞台設置も当日深夜2時からという慌ただしさ。曲目も演奏者の配置も演出も知っているのに、コンサートのイメージが断片的にしか浮かんでこない!
もっともそれはスタッフにとってもある程度同じだと想像され(私のような素人とは次元が全く違うが)、「どうなるんだろうか」というような思いは少なからずあったのかもしれない。しかし、そこは経験豊富なプロの方々なので前日までのリハーサルや準備を見ていても、「着々と計画を遂行中」といった感じ。「このイスの間隔でヴァイオリン奏者同士の腕があたらないか、ちょっとやってみよう」とか「112名の演奏者がいるがアンコールの前の退場はどうするのか?」なんていう話し合いは、このコンサートならではという感じがした。
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12時
劇場ホール1階の中に入ると開演前リハーサルの準備の真っ最中!
予定通りのこととは言え、わずかな時間で(パシフィコ横浜に設備の搬入が開始されたのはなんと深夜2時! 前日までは別のイベントがあって機材等の設備が入れられなかったのだ! ちなみに前日・前々日は「よこすか芸術劇場」(収容人数:2000人)を、リハーサル会場として貸し切り、舞台装置の設営・音響チェック・スクリーンチェック、ゲスト各人・オーケストラ等のリハを2日間に渡り重ね……、前日の夜に舞台装置を一旦ばらして横浜に移動、深夜からの再立て込みを始めたのだった!)完全に舞台や楽器、照明などが完全に設置されていたのに驚いてしまった(スタッフの皆様お疲れさまでした)。
やっぱり照明やスモークが入ると今までのリハーサルとは雰囲気がまったく違う。本番らしくなってきた(笑)。
舞台周辺を観察してみる。楽器類が整然と収まっている。最初に演奏者の配置図を観た時にギリギリと思えた舞台最前列、西田社中の歌唱スペースにも無理がなかった。これなら大丈夫。プロの仕事はさすがです。
さらに周囲を見渡してみると……客席から見て舞台左手には撮影カメラ用のクレーンが鎮座し、正面下にはカメラ移動用のレールがある。これはちょっと物々しい。(コンサートDVD撮影のためにカメラが20台近く設置されていた。DVD来春発売予定!)
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13時30分
開演前リハーサルが始まった。音響・演出面の調整などを含め、全スタッフで確認作業が行えたのはこの時だけなのだが、特に大きな混乱はなさそうだった。
今回の目玉の一つが、曲目に合わせて劇中の映像をスクリーンに投影する演出。作品によっては曲とその曲が使われているシーンをシンクロさせ、劇中の一場面が生演奏で再現される!
これは観る側としては鳥肌物の演出だ!
しかし、これは演奏、映像どちらか一方がちょっとでもずれると破綻してしまう非常にアクロバティックな試みでもある。こればかりはリハーサルでうまく行っても、本番でどうなるかはわからない。とくに『イノセンス』は西田社中の生唄&茂戸藤和太鼓、そして演奏順からいっても山場になるが、1曲の長さが13分半にも及ぶのでタイミング的にはとってもシビア。本番に向けて期待と不安が交差する!
会場に来てみてパズルの断片が少しずつ組み合わさり、今まで漠然と「もの凄い内容」としかとらえられなかったものが、はっきり見えてきた気がする。
----その結果言えることは、「やっぱり夢のような一夜になるぞ!」
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15時
開場1時間前になると準備も整いはじめ、会場の入り口にはアニメ・音楽・映画業界などからの献花が並べられた。その中にはもちろん押井守監督の名前もあった。献花を見ているだけでも川井氏の仕事の幅の広さを伺い知ることができた。横浜の港が見渡せる入り口周辺にも人が集まりはじめ、そわそわと中を覗き込んでいる。
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16時
いよいよ開場!
待ちかねた入場者が次々と中に吸い込まれていく。いつしかロビーは観客であふれていき、CDやDVD、グッズの販売コーナーにも列ができていく。ここでは『紅い眼鏡』のポスターやTシャツ、『首都警特機隊・第1突入小隊版 Tシャツ』(www.kerberos-saga.jpでも購入可能)、『機動警察パトレイバー 劇場版』『機動警察パトレイバー2 the Movie』ブルーレイソフトなどの販売、'08年2月20日発売(12月から2月に変更になりました)の『K-PLEASURES』(税込10,290円)の予約(特典として川井さんの直筆サインつき!)が行なわれた。
さらに献花の名前をしげしげと眺めたり記念写真を撮ったりしているファンの姿がたくさん見られた。今日会場に足を運んだ多くの方にとって川井氏は、「俺の川井憲次!」「私の川井憲次!」のはずだ。
何しろアニメや映画に興味のある方ならよく知っている、豪華な名前からの献花がずらりと並んでいるのである。きっと川井氏の交友の広さを一緒に共有しつつ、喜んでいたに違いない。
ロビーで談笑している人物の中にも著名人をたくさん見ることができた。あちこちでそれら著名人を目の当たりにして「おおっ!」と目を丸くしたファンも多かったようで、開演前からボルテージも上がったことであろう。
期待と興奮の熱気が渦巻く中、気がつくと1時間が経過。いよいよ開演のブザーが鳴る。そして舞台の幕が開けた。 ----
(つづく。次回は12月3日更新予定)
リハーサルはまず10月22日〜24日にかけて、一口坂スタジオにて開始された。
この時はギターやベース、キーボード、リズム楽器、ヴォーカルがメインだった。
スタジオ内にひしめき合うように楽器が並ぶ。川井氏をはじめとしたミュージシャン達が、複数の楽器を当たり前のように演奏していたのには驚かされた。
舞台におけるベストな楽器の配置が直前まで検討されていた。時には実際に図面に従ってイスを並べ、無理なくヴァイオリンが弾けるかどうかも確認。
つづく10月30日・11月1日の両日には、芝浦スタジオでコーラスパートのリハーサルが行われた。
この時初めて西田社中の生の唄声に触れることができた。この時はサイドや後ろからの拝見させていただいがやっぱりすごい! 本番がますます楽しみになってきた!
『Avalon』の楽曲ではポーランド語の歌詞がある。ポーランド語の先生が招かれ、発音のチェックも行われた。
11月2日〜3日の両日はよこすか芸術劇場で実際と同様の舞台が組まれ、オーケストラも参加してのリハーサルが開始! ただ、本番の会場ではないため、音響や照明、演出などが実際にどうなるかの確認は当日までできない。この日は18時過ぎでリハーサルは終了。即座に撤収を開始! 本番会場となるパシフィコ横浜 国立大ホールへの機材搬入は翌日早朝2時から行われた!
11月4日コンサート当日11時。舞台の組み立て、楽器の設置等々がすでに終了していた! ここにプロの力量を見る!
コンサート映像収録の為に何台ものカメラが設置された。舞台前をレールで移動するカメラも。
本番前の通しリハーサルが開始! 照明や演出も入る。やはり横須賀とはムードが全然違う。早くコンサートが観たい!
音楽・映画業界などからの献花がホールに入り口に並べられた。来場者も興味津々の様子。
CD、DVD、グッズの販売コーナーではファンが殺到!
なんと押井守監督にご自身から贈られた献花の前で記念撮影させていただきました!
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